睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

人間は身体を休めるために人生の3分の1の時間を睡眠に費やします。

しかし、睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)やむずむず脚症候群など)に罹患していると、クオリティの高い睡眠がとれず、 日中の眠気などにより生活の質が低下します。 また、生活習慣病(高血圧や心疾患、糖尿病など)を高い確率で合併し、健康に大きな影響を与えることが明らかになってきました。

最近では睡眠障害が認知されてきましたが、まだまだ治療を受けていない方が多く存在します。

1,睡眠時無呼吸症候群はまれな病気?

「睡眠中に無呼吸を繰り返す病態の総称」をSASといいます。 日本人の約240万人(2~4%)がSASに罹患しているといわれています。 生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を患っている方では、さらに高確率でSASを合併していることが判明しています。 特に、薬剤抵抗性高血圧の方(薬が効かない高血圧)の約80%にSASが合併しています。SASが薬が効かない原因ではないかとも言われています。 このように実は身近に潜む病気が睡眠時無呼吸症候群(SAS)なのです。

2,睡眠時無呼吸症候群の主な症状は?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠を妨げることで、以下の症状を引き起こす場合があります。

大きないびきをかく
起床時に頭痛がする
日中、眠気を感じる
熟睡感がなく、眠気が覚めない
など


3,睡眠時無呼吸症候群は全身疾患です。

SASはいびきをかいたり、呼吸が止まることから局所的な病気と思わることが多いです。
しかし、SASは低酸素や睡眠不足により、生活習慣病を引き起こすと考えられています。

これらよりSASは生活習慣病の発症または悪化につながると考えられています。 生活習慣病をコントロールする為に、早い時期に適切なSAS治療(CPAP療法など)を行うことをお薦めします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査について

STEP.1

問診
起床時の頭痛、日中の眠気、既往歴、鼻の状態など、また夜間のトイレの回数などについて医師からお尋ねします。 睡眠中の状態は検査できちんと調べることが出来ますので、昼間の症状について医師に伝えることが大切です。
ご家族などが症状に気づかれている場合、問診にご同席頂くのもよいでしょう。

STEP.2

検査
・簡易検査
一晩の睡眠状態を、おやすみ前に小型の機械とセンサーを取り付けて検査します。 検査機器は小さく軽量で痛みはありませんのでいつも通りおやすみ頂けます。健康保険も適用になります。 さらに詳しい検査(PSG検査)が必要になる場合は、お近くの専門医をご紹介いたします。 CPAP治療などの治療が必要な場合は適切な治療法をご提案いたします。

≪睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査自宅配送サービスのご案内≫
ご自宅で検査ができる睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査自宅配送サービスを当院ではご用意しています。

この検査では、指に体内の酸素濃度を調べるセンサーを、鼻と口に呼吸センサーを取り付けて検査を行います。 機械の操作も簡単で、事前にスタッフよりご説明いたしますので、機械操作が苦手な方でも安心して検査を受けて頂けます。 ご自宅での検査なので、いつも通りおやすみ頂けます。当院医師・スタッフまで、お気軽にお問い合わせ下さい。

≪検査の流れ≫


*検査費用:約2,500円(3割負担の方の場合)

・PSG検査
お近くの専門医をご紹介いたします。

STEP.3

治療
・CPAP治療
・マウスピース
など

≪検査を受けるには≫
●当院にて
当院医師・スタッフより、検査内容や検査の流れについてご説明いたします。
機器の操作方法についても事前にご説明しますのでご安心下さい。
●ご自宅へお戻りになりましたら
以下のステップに沿って検査を進めて頂きます。

≪検査の結果について≫
●当院にて
後日、検査の結果をご説明いたします。検査の結果次第で、精密検査をお薦めしたり治療方法をご提案させていただきます。

●機器の操作方法については事前にご説明いたしますのでご安心下さい。

当院では帝人ファーマ株式会社製の装置を使用しております。
>>>帝人ファーマ 株式会社

経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)とは?

CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群の一般的な治療法です。

CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対して有効で一般的な治療法です。 日本では年間1~2万人以上の方が新たに治療を始めており、10万人以上の方が行っています。 CPAP療法は睡眠中の気道に対して陽圧をかけることで、気道の閉塞を防止します。 治療には、CPAP装置と専用のマスクを使用します。


CPAP装置を使用した場合の気道の様子

CPAP療法のメリットは?

生活習慣病の予防または改善が期待でき、死亡率の低下が望めます。

SASに罹患している人は、脳卒中や心筋梗塞などの致命的な心血管のイベントが健康な人の約3倍ですが、CPAP療法によって、健康な人と変わらないほどの低下が期待できます。

昼間の眠気を解消し、交通事故などを予防できます。

重症なSAS患者の眠気による交通事故や労働災害が最近注目されています。CPAP療法により、より良い睡眠をとり、労働災害、交通事故を予防しましょう。


CPAP装置の貸出・費用

CPAP療法は健康保険の適用になります。
CPAP装置は、診察されるお薬と同様、窓口で一部負担金を支払っていただくことで貸し出し致します。

健康保険の月一回受診ルール

CPAP療法を健康保険で行う場合、必ず月1回の受診を行なってください。
受診されない場合は、CPAP装置を医療機関へご返却してもらう場合がございますので、必ず計画的に受診してください。

CPAP療法を自己判断で中止することによる影響

CPAP療法を自己判断で中止してしまうと高い確率で、治療前の状態に戻ります。 治療中は症状が改善しているため、「治った」ように思われる方もいらっしゃいますが、 多くの場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)自体が完治したわけではありません。 自分の判断で中止をしてしまうと翌日から数日の間に無呼吸や眠気などの自覚症状が再発します。 さらに長期にわたって治療を行わないと合併症の症状が治療前の状態に戻ったり、悪化する可能性があります。 何か疑問や不安に感じることがある場合や治療継続が困難な場合は、ぜひ当院医師に相談してください。

ページトップへ